AUC版PBWをやってみよう企画のリプレイバックナンバーや、AUC関係の管理人のSSを保管している場所です。
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◇
「ダンデさん、もっとお嬢様らしくしてよ~」
「む、無理ですよ! こんな格好しただけで勘弁して下さいよぉ」
御者台の助手席で俯くダンデリオンを更にからかおうとしたフェンさんは、目の端に何かの影が過ぎったのに気付きそっと荷台に合図した。
右手の林の中を人影が過ぎったような気がしたのだ。
このまま芝居を続けるか、影を確認に行くか。そう考えたのと同時に、右手の林から馬車の前方に人影が飛び出した。
「止まんなァ! こっから先は通せんぼだァ」
大斧を振り上げた大柄な男のダミ声に、馬車馬が驚いて踏鞴を踏んだ。
馬車が止まるのを見計らったかのように、大男の前に二本差しの剣士と、下っ端風の男二人が現れる。
「な、何のご用ですか」
「ちょっとこっち来ないでよー」
ダンデリオンが怯えたような声を上げ、フェンさんが迷惑気な顔をして白麒麟の馬首を巡らせる。併せてクーフーリンにも馬車の方向転換の指示を出そうとした時、馬車の後方にも人影が現れた。
林から飛び出してきたのは、前方にいるのと同じような風体の下っ端三人。一人は抜き身の剣を持ち、残り二人は距離を測りながら弓をつがえている。
「おう、おめぇら娘っこの顔に傷つけんじゃねぇぞ。値段が下がっちまうからなァ!」
「「「「「へい、お頭!」」」」」
下卑た笑いを浮かべるお頭の命令に、下っ端五人の声が唱和する。
お頭は、本気で恐怖に顔を引きつらせて震えているマナをにやついた顔で眺め、次いで御者台から降りてくるクーフーリンに目をやった。
「シー、おめぇはあの護衛の始末だ」
お頭の声に、唯一沈黙を守っていた二本差しの剣士が獲物を抜いた。
「よぉし、かかれェ!!」
頭の号令に、略奪団達は一斉に動き出した。
◇
「出て行ったのは七人だったぜぇ。で、見張りに残ってんのが二人だな」
「……話に聞いていた動けそうな人材というのは、殆ど出て行きましたね」
「はやく わるいひとを やっつけましょうー」
ひそひそと囁きながら見張りと誘き出された連中の様子を確認する一同。
飛び出していった連中が林の道に消えて暫くした頃、四人は顔を見合わせた。
「……よし。いくぞ野郎共、ぬかるんじゃねぇぜ」
セシルが小声ながらも力強い口調で作戦開始を告げると同時に、彼らは一気に見張りの元に走り出した。
「今夜の休憩が楽しみだぜ~」
「追加ったってまたガキじゃねぇか。つまん……!?」
「だいこんはっしゃー」
熟女好きが高速で迫る飛行物体に口を開けた瞬間、巨大な爆発音が響き渡った。
隣で浮かれていた仲間が何かに襲撃された? そう考えるよりも早く剣を抜いた男の眼前、煙が薄れる中に襲撃者らしき人影と変な形の浮遊物体の輪郭がかいま見えた。
「敵しゅ!?」
警戒の声を、湾曲した剣先が遮った。
反射的に突き出した男の剣は白い服の脇腹を切り裂いてはいたが、セシルの痛烈な太刀筋に最後まで言葉を発することは出来なかった。
「射撃で始末してもらうつもりだったんだがな」
「まあ、仲間呼ばれるよりぁマシってもんさぁ」
足元に転がった男が完全に気絶しているのを確認して息を付くセシルに、周囲を警戒しつつ声を掛ける信吾。
輸送機に積んでいたロープを取り出して来た光速の以下略さんと、軍隊仕込みの捕縛術を知る信吾で手早く見張りを縛り上げると、出戻ってきた連中に見つからないように岩壁の影に隠し、建物に入りきらない輸送機に未練たらたらなソラコニオンを宥めすかして一同はアジトへと入っていった。
「ダンデさん、もっとお嬢様らしくしてよ~」
「む、無理ですよ! こんな格好しただけで勘弁して下さいよぉ」
御者台の助手席で俯くダンデリオンを更にからかおうとしたフェンさんは、目の端に何かの影が過ぎったのに気付きそっと荷台に合図した。
右手の林の中を人影が過ぎったような気がしたのだ。
このまま芝居を続けるか、影を確認に行くか。そう考えたのと同時に、右手の林から馬車の前方に人影が飛び出した。
「止まんなァ! こっから先は通せんぼだァ」
大斧を振り上げた大柄な男のダミ声に、馬車馬が驚いて踏鞴を踏んだ。
馬車が止まるのを見計らったかのように、大男の前に二本差しの剣士と、下っ端風の男二人が現れる。
「な、何のご用ですか」
「ちょっとこっち来ないでよー」
ダンデリオンが怯えたような声を上げ、フェンさんが迷惑気な顔をして白麒麟の馬首を巡らせる。併せてクーフーリンにも馬車の方向転換の指示を出そうとした時、馬車の後方にも人影が現れた。
林から飛び出してきたのは、前方にいるのと同じような風体の下っ端三人。一人は抜き身の剣を持ち、残り二人は距離を測りながら弓をつがえている。
「おう、おめぇら娘っこの顔に傷つけんじゃねぇぞ。値段が下がっちまうからなァ!」
「「「「「へい、お頭!」」」」」
下卑た笑いを浮かべるお頭の命令に、下っ端五人の声が唱和する。
お頭は、本気で恐怖に顔を引きつらせて震えているマナをにやついた顔で眺め、次いで御者台から降りてくるクーフーリンに目をやった。
「シー、おめぇはあの護衛の始末だ」
お頭の声に、唯一沈黙を守っていた二本差しの剣士が獲物を抜いた。
「よぉし、かかれェ!!」
頭の号令に、略奪団達は一斉に動き出した。
◇
「出て行ったのは七人だったぜぇ。で、見張りに残ってんのが二人だな」
「……話に聞いていた動けそうな人材というのは、殆ど出て行きましたね」
「はやく わるいひとを やっつけましょうー」
ひそひそと囁きながら見張りと誘き出された連中の様子を確認する一同。
飛び出していった連中が林の道に消えて暫くした頃、四人は顔を見合わせた。
「……よし。いくぞ野郎共、ぬかるんじゃねぇぜ」
セシルが小声ながらも力強い口調で作戦開始を告げると同時に、彼らは一気に見張りの元に走り出した。
「今夜の休憩が楽しみだぜ~」
「追加ったってまたガキじゃねぇか。つまん……!?」
「だいこんはっしゃー」
熟女好きが高速で迫る飛行物体に口を開けた瞬間、巨大な爆発音が響き渡った。
隣で浮かれていた仲間が何かに襲撃された? そう考えるよりも早く剣を抜いた男の眼前、煙が薄れる中に襲撃者らしき人影と変な形の浮遊物体の輪郭がかいま見えた。
「敵しゅ!?」
警戒の声を、湾曲した剣先が遮った。
反射的に突き出した男の剣は白い服の脇腹を切り裂いてはいたが、セシルの痛烈な太刀筋に最後まで言葉を発することは出来なかった。
「射撃で始末してもらうつもりだったんだがな」
「まあ、仲間呼ばれるよりぁマシってもんさぁ」
足元に転がった男が完全に気絶しているのを確認して息を付くセシルに、周囲を警戒しつつ声を掛ける信吾。
輸送機に積んでいたロープを取り出して来た光速の以下略さんと、軍隊仕込みの捕縛術を知る信吾で手早く見張りを縛り上げると、出戻ってきた連中に見つからないように岩壁の影に隠し、建物に入りきらない輸送機に未練たらたらなソラコニオンを宥めすかして一同はアジトへと入っていった。
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