AUC版PBWをやってみよう企画のリプレイバックナンバーや、AUC関係の管理人のSSを保管している場所です。
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◇
一方その頃。
「うわ、蹴るなっ! 大人しくしやがれ!」
「両足縛ってるんだから立たせればいいんじゃね?」
「儂ゃ先にお頭に報告に」
「爺さん抜け駆けすんな!」
さて、娘を人質にと決めたまではよかったが、人質の活きが良すぎる上に統率する人間が居ないという状況で、なんだか大惨事になっていた。
その足元を白いのがてってけ走っていった。
「「「「………………」」」」
ふと視線を移すと、大根? っぽい物体が呪術師に向かって走っていた。
「それ だいこんはっ」
「爆弾はやめてくれ! 生き埋めになっちまう!」
「ちぇー」
更に背後から発せられた男の声に振り向くと、大広間の入り口に眼帯の男と黒服の女が立っていた。背後で爺の情けない悲鳴が上がる。
そのまま突撃してくる二人を見て、慌てた下っ端が人質の首筋にナイフを突きつけた。
慎重に距離を取って立ち止まる二人。
「そ、そのまま動くなよ……。後ろの変なの、テメェもだ! オレ達を見逃してくれりゃあ、この女には何もしねぇよ」
言いつつ、じりじりと裏の扉へ移動する下っ端三人組。人質を盾に取っている男を文字通り盾に、残り二人は我先に逃げ出そうと襲撃者の動きを観察している。
光速の以下略さんが扉脇の壁に背を預けて両手を挙げ、セシルがカトラスを下っ端達との中間辺りに向かって投げ出したのを確認すると、下っ端達はいそいそと逃走を開始した。
ふと、視界の端で壁際の女の服が風に靡いたような気がした。
瞬間、銃声が響き渡った。人質に突きつけていたナイフを握る腕を、扉脇に隠れていた信吾が光速の以下略さんの支援を得た威力で正確に撃ち抜いたのだ。
銃声を合図に、降参のフリをしていた二人も弾かれたように駆けだした。
セシルがカトラスを拾う間に、光速の以下略さんが撃たれた下っ端から人質を奪い取る。
下っ端も人質が無くなったら後がないと拳を振り上げ反撃を試みたが、風王絶対防御にあっさりと阻まれた。
もはやどこにも逃げ場は無かった。
カトラスを肩に担ぎ、露わになっている左目で睨みを利かせるセシル。
人質をしっかり抱いて、風の結界を巻き起こしている光速の以下略さん。
扉脇から鼻歌交じりにライフルのスコープを覗いている信吾。
そして、さっさと逃げようとして殴り倒された呪術師の背中に座り、足をぷらぷらさせているソラコニオン。
彼が戸口方面を封鎖する形になってしまっているため、一応全力逃走を試みる……なんてことももはや無理。
「い……命ばかりはお助け下さい…………」
下っ端達は両手を挙げて降参の意を示し、言われるがままに壁際に並び立った。
「あなたがリリーエさんですよね?」
「はい。助けて頂いてありがとうございました」
セシルと信吾が手分けして下っ端と呪術師を縛り上げている場所から少し離れて、光速の以下略さんは人質にされていた少女の猿ぐつわと縄を解いてやった。
顔が露わになれば、確かに父親のリックが自慢するくらいには美人の部類に入る少女だった。年の頃は十六、七だろうか。
「とりあえずコイツらは置いておいて、囮班の援護に行くか?」
「私はリリーエさんの護衛に残りますけど……。とりあえず外に出てみますか?」
「ありましたー おくに にもつがいっぱい ありますー」
てってけ他の部屋の探索に出ていたソラコニオンが上機嫌な様子で戻ってきた。
「荷物の方も荷馬車が来ねぇとどうにもならねぇしなぁ」
襲撃班の面々がリリーエを連れてアジトの外に出ると、夕日の下端がそろそろ林に掛かる頃合いだった。
先ほどより黒々として見える林を背に、がたごとと派手に揺れる荷馬車と、こちらに気付いたのかスピードを上げた馬影が見えた。
ソラコニオンが輸送機を取りに岩壁の方へ走り出す。
残りの三人は、リリーエにあれも仲間だと教え、荷馬車と馬影に向かって手を振った。
一方その頃。
「うわ、蹴るなっ! 大人しくしやがれ!」
「両足縛ってるんだから立たせればいいんじゃね?」
「儂ゃ先にお頭に報告に」
「爺さん抜け駆けすんな!」
さて、娘を人質にと決めたまではよかったが、人質の活きが良すぎる上に統率する人間が居ないという状況で、なんだか大惨事になっていた。
その足元を白いのがてってけ走っていった。
「「「「………………」」」」
ふと視線を移すと、大根? っぽい物体が呪術師に向かって走っていた。
「それ だいこんはっ」
「爆弾はやめてくれ! 生き埋めになっちまう!」
「ちぇー」
更に背後から発せられた男の声に振り向くと、大広間の入り口に眼帯の男と黒服の女が立っていた。背後で爺の情けない悲鳴が上がる。
そのまま突撃してくる二人を見て、慌てた下っ端が人質の首筋にナイフを突きつけた。
慎重に距離を取って立ち止まる二人。
「そ、そのまま動くなよ……。後ろの変なの、テメェもだ! オレ達を見逃してくれりゃあ、この女には何もしねぇよ」
言いつつ、じりじりと裏の扉へ移動する下っ端三人組。人質を盾に取っている男を文字通り盾に、残り二人は我先に逃げ出そうと襲撃者の動きを観察している。
光速の以下略さんが扉脇の壁に背を預けて両手を挙げ、セシルがカトラスを下っ端達との中間辺りに向かって投げ出したのを確認すると、下っ端達はいそいそと逃走を開始した。
ふと、視界の端で壁際の女の服が風に靡いたような気がした。
瞬間、銃声が響き渡った。人質に突きつけていたナイフを握る腕を、扉脇に隠れていた信吾が光速の以下略さんの支援を得た威力で正確に撃ち抜いたのだ。
銃声を合図に、降参のフリをしていた二人も弾かれたように駆けだした。
セシルがカトラスを拾う間に、光速の以下略さんが撃たれた下っ端から人質を奪い取る。
下っ端も人質が無くなったら後がないと拳を振り上げ反撃を試みたが、風王絶対防御にあっさりと阻まれた。
もはやどこにも逃げ場は無かった。
カトラスを肩に担ぎ、露わになっている左目で睨みを利かせるセシル。
人質をしっかり抱いて、風の結界を巻き起こしている光速の以下略さん。
扉脇から鼻歌交じりにライフルのスコープを覗いている信吾。
そして、さっさと逃げようとして殴り倒された呪術師の背中に座り、足をぷらぷらさせているソラコニオン。
彼が戸口方面を封鎖する形になってしまっているため、一応全力逃走を試みる……なんてことももはや無理。
「い……命ばかりはお助け下さい…………」
下っ端達は両手を挙げて降参の意を示し、言われるがままに壁際に並び立った。
「あなたがリリーエさんですよね?」
「はい。助けて頂いてありがとうございました」
セシルと信吾が手分けして下っ端と呪術師を縛り上げている場所から少し離れて、光速の以下略さんは人質にされていた少女の猿ぐつわと縄を解いてやった。
顔が露わになれば、確かに父親のリックが自慢するくらいには美人の部類に入る少女だった。年の頃は十六、七だろうか。
「とりあえずコイツらは置いておいて、囮班の援護に行くか?」
「私はリリーエさんの護衛に残りますけど……。とりあえず外に出てみますか?」
「ありましたー おくに にもつがいっぱい ありますー」
てってけ他の部屋の探索に出ていたソラコニオンが上機嫌な様子で戻ってきた。
「荷物の方も荷馬車が来ねぇとどうにもならねぇしなぁ」
襲撃班の面々がリリーエを連れてアジトの外に出ると、夕日の下端がそろそろ林に掛かる頃合いだった。
先ほどより黒々として見える林を背に、がたごとと派手に揺れる荷馬車と、こちらに気付いたのかスピードを上げた馬影が見えた。
ソラコニオンが輸送機を取りに岩壁の方へ走り出す。
残りの三人は、リリーエにあれも仲間だと教え、荷馬車と馬影に向かって手を振った。
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