AUC版PBWをやってみよう企画のリプレイバックナンバーや、AUC関係の管理人のSSを保管している場所です。
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◇
一方その頃。
「な、何じゃ!? 何の音じゃ!」
「ば、爆発みてぇな音でしたが……」
アジトに残って酒盛りを続けていた呪術師爺いと怪我人達は、アジトの天井を揺るがす爆発音に文字通り飛び上がって驚いた。
「ま、まさかお頭が負けて逆襲されてるとか……?」
「いや待てよ、今日襲った連中が仕返しに来やがったのかもしれねぇぞ」
酔いも吹き飛んだ男達がひそひそと囁き交わし、一斉に壁際へ視線を移した。
縛り上げられたあげく猿ぐつわまでされた少女の、今にも噛み付きそうな凝視と目が合った。
一同に沈黙が落ちる。
これ……を取り返しに来たのだろうか。
この、見た目は良いが、お頭の腕に全力で噛み付くような向こう見ずな女を……。
「むむむ、とにかくじゃ。お前。お前ちょいと偵察に行って来んか」
指名された下っ端は、利き腕が痛いのにとダダをこねたが結局老人に言いくるめられ、足音を殺 し て偵察に出て行った。
下っ端はアジトの構造に詳しかった。
しかし襲撃者は派手な音を立てたわりに慎重に探索していた。
手練れの傭兵に見つかっては、怪我人のチンピラ程度が逃げ切れるはずは無かった。
と、いうわけで。
「さて、攫った娘の居場所を吐いてもらおうか?」
「あー、俺っち腕が疲れちまったなぁ。そろそろ間違って弾ぁぶっ放しちまうかもしれねぇなぁ。……なぁ?」
光速の以下略さんが見張りに立ち、縛り上げた下っ端の首筋にカトラスを当て、こめかみにライフルの銃口を突きつけて。
両側から耳元で囁くように、静かに静かに脅しを掛けるセシルと信吾。
ソラコニオンは信吾の手元を狂わせない事を考慮しているのか、ただの趣味か、室内をてってけと捜索して回っている。
作戦時に言い含められているので、無頓着そうな足取りに見えて物音は立てていない。
この部屋は物置らしく、薪の山と小型の荷車が乱雑に置かれているだけで役に立ちそうな物は無いようだ。
「い、言います言」
「もっと小声で話せ。オトモダチに聞こえたら困るだろ?」
「それからよぉ、聞いただけじゃ分かんねぇから案内してくれねぇかなぁ。お前さんが親切だと俺っち超助かるんだけどよぉ」
馴れ馴れしく肩に腕を回しつつ銃口でこめかみぐりぐりされて、下っ端は情けない表情でカクカクと微妙な動きで頷いた。
大きく頷くとカトラスがうっかり刺さったりしそうで怖かったのだ。
「……戻って来んのう」
「逃げた方がいいんじゃねぇですかい?」
宴会を開いていた大部屋に残っていた一同は、襲撃者にバレないようひそひそと不安げに囁きあっていた。
「逃げる……。逃げ切れるかのう、儂」
「「「じゃ、お疲れ様っす」」」
「年寄りを置き去りにするやつがあるかっ。呪うぞお前らっ」
足の遅い爺を置き逃げしようとした下っ端を叱りつけ、うっかり出した大声に自分で狼狽える呪術師。
とりあえず、残った四人で考えた結果こういう話に決まった。
『人質を盾に取ってみんなで逃げる』と。
一方その頃。
「な、何じゃ!? 何の音じゃ!」
「ば、爆発みてぇな音でしたが……」
アジトに残って酒盛りを続けていた呪術師爺いと怪我人達は、アジトの天井を揺るがす爆発音に文字通り飛び上がって驚いた。
「ま、まさかお頭が負けて逆襲されてるとか……?」
「いや待てよ、今日襲った連中が仕返しに来やがったのかもしれねぇぞ」
酔いも吹き飛んだ男達がひそひそと囁き交わし、一斉に壁際へ視線を移した。
縛り上げられたあげく猿ぐつわまでされた少女の、今にも噛み付きそうな凝視と目が合った。
一同に沈黙が落ちる。
これ……を取り返しに来たのだろうか。
この、見た目は良いが、お頭の腕に全力で噛み付くような向こう見ずな女を……。
「むむむ、とにかくじゃ。お前。お前ちょいと偵察に行って来んか」
指名された下っ端は、利き腕が痛いのにとダダをこねたが結局老人に言いくるめられ、足音を殺 し て偵察に出て行った。
下っ端はアジトの構造に詳しかった。
しかし襲撃者は派手な音を立てたわりに慎重に探索していた。
手練れの傭兵に見つかっては、怪我人のチンピラ程度が逃げ切れるはずは無かった。
と、いうわけで。
「さて、攫った娘の居場所を吐いてもらおうか?」
「あー、俺っち腕が疲れちまったなぁ。そろそろ間違って弾ぁぶっ放しちまうかもしれねぇなぁ。……なぁ?」
光速の以下略さんが見張りに立ち、縛り上げた下っ端の首筋にカトラスを当て、こめかみにライフルの銃口を突きつけて。
両側から耳元で囁くように、静かに静かに脅しを掛けるセシルと信吾。
ソラコニオンは信吾の手元を狂わせない事を考慮しているのか、ただの趣味か、室内をてってけと捜索して回っている。
作戦時に言い含められているので、無頓着そうな足取りに見えて物音は立てていない。
この部屋は物置らしく、薪の山と小型の荷車が乱雑に置かれているだけで役に立ちそうな物は無いようだ。
「い、言います言」
「もっと小声で話せ。オトモダチに聞こえたら困るだろ?」
「それからよぉ、聞いただけじゃ分かんねぇから案内してくれねぇかなぁ。お前さんが親切だと俺っち超助かるんだけどよぉ」
馴れ馴れしく肩に腕を回しつつ銃口でこめかみぐりぐりされて、下っ端は情けない表情でカクカクと微妙な動きで頷いた。
大きく頷くとカトラスがうっかり刺さったりしそうで怖かったのだ。
「……戻って来んのう」
「逃げた方がいいんじゃねぇですかい?」
宴会を開いていた大部屋に残っていた一同は、襲撃者にバレないようひそひそと不安げに囁きあっていた。
「逃げる……。逃げ切れるかのう、儂」
「「「じゃ、お疲れ様っす」」」
「年寄りを置き去りにするやつがあるかっ。呪うぞお前らっ」
足の遅い爺を置き逃げしようとした下っ端を叱りつけ、うっかり出した大声に自分で狼狽える呪術師。
とりあえず、残った四人で考えた結果こういう話に決まった。
『人質を盾に取ってみんなで逃げる』と。
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